2月も終わりの寒い寒い週末に"fete
de aiguille(針の祭典) "というエキスポジションがパリの見本市会場で開かれました。前回のideeでご紹介したsalon
savoire faireほど大きくはありませんが、フランスならではの職人の仕事を伝えるという意味においては、とても充実したエキスポジション=見本市でした。
パリにある、服飾専門学校の生徒たちのテキスタイル作品や、刺繍、タピスリーの工房などは一見の価値ありです。オートクチュールの刺繍で有名なルサージュを筆頭にDMCやさまざまなアトリエがデモンストレーションや、体験コーナーを設けており、大変なにぎわいでした。会場中央には、フランスで最も美しいステンドグラスのあるシャルトル大聖堂の、現在製作中のタピスリ-が実演をかねて展示され圧倒的な存在感を示していました。
会場の通路には、このエキスポジションに向けての連作である、クロスステッチによるアルファベットサンプラーのバンドが場内へ人々を導くように張り巡らされていました。多くの人々が それぞれ気に入った字体やモチーフを選んでの長い長いサンプラーです。会場内でも引き続いて来場者によるステッチが加えられていました。パッチワークでの共同作品は有名ですが、クロスステッチでのこのようなサンプラーも、とても面白いものです。
また、このエキスポジションに招待されたアーティストの作品も壁面を飾っていました。今回このエキスポジションを訪れた目的の一つはJeu
de Filsで好評の図案集
Dentells et Rubansの作者、 KEEPING
TRADITIONのデザイナーでもあるAnne Van Damme(アン ヴァン ダム)
へのインタビューでした。この見本市のためにパリ入りすることを聞き、よい機会なので、Jeu de
Filsのためのインタビューを依頼したところ「日本のみなさんへのメッセージね。よろこんで!」とのことでした。
初めて会った彼女は、作品と同じような甘い雰囲気と、落着いた声のバランスが魅力的な女性でした。彼女からのメッセージをご覧ください。
J:
クロスステッチをはじめたのはいつですか?
A: 手作りすることはいつでも大好きでした。編物やレース編み、クロスステッチなど…クロスステッチを実際にはじめたのは1990年になって、姉に最初の女の子が生まれたときでした。そう確か予めプリントされたサンプラーでした。それからクロスステッチをはじめました。その後、1993年にアントワープで「KEEPING
TRADITON」という小さなお店を開きました。
最初は、様々な手作りのものを扱うお店にしようと思っていました。が、いろいろなアトリエを探すうちに、クロスステッチとその道具にはこれまでみたこともないような美しいものがたくさんあることを発見し、お店はクロスステッチ専門店となったのでした。
そして、その店に自分のデザインした商品を置くようになり、後にフランスなどでも販売されるようになってきました。私自身に2人目の子供が生まれた時に、このお店を閉め、今は自宅でできるデザインに集中しています。
J:
いろいろな手芸をされるとのことでしたが、刺繍や、パッチワークでなく特にクロスステッチを選んだことに理由はありますか?
A: 特に意識してクロスステッチを選んだわけではありません。
がとりわけ、クロスステッチが気に入っているところは、図案のマスを数えればだれにでも簡単にできるというところです。
クロスステッチがこんなに多くの人々に愛されるのも、このだれもが楽しむことができるからでしょう。一枚の何もない布地の上に美しい色彩がだんだんと拡がっていくのを見るのはとても素敵なことです。まるで魔法のようにね。
J:
次の作品はどのようなものになるのでしょう?
A:
2004年の9月に現在出版されている"Dentells et Rubans"と同じシリーズから2冊目の作品集が出版されます。
J:
そういった作品をデザインして作っていく上で、あなたのインスピレーションのもととなるものはどういったものなのでしょう?
A: みなさんの想像通りだと思うのですが、レースや、刺繍、リボンが本当に大好きなのです。それから、プリントや、織などの布地からも多くの影響を受けています。テキスタイルが大好きなのです。ー学生時代はファッションを勉強していましたー
その他にも壁紙やタイルや美しいデッサン、そういったものがインスピレーションのみなもとです。
J:
このHPを読んでいる日本の手芸、クロスステッチ愛好家のみなさんへのメッセージをいただけますか?
A: 残念なことに未だ日本にいったことがありません。ヨーロッパで出会った人々だけしか知らなくて数少ない経験ですけれど、日本人は"NICE&SWEET"な人々ですね。日本には手芸を愛する人々がたくさんいると聞いています。クロスステッチを楽しみ、そして、美しいものを作り出すことの喜びをいつまでも持ち続けてくださいね!
(by AKI in Paris / 2004年5月)
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